政治資金の支出で迂回寄付の疑いが指摘された政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)から2010年にも、同年の参院選で組織内で擁立した民主党の西村正美参院議員の後援会に民主党支部を経由するなどして、政治資金計1億円が渡っていた可能性のあることが10日、政治資金収支報告書で分かった。
政治資金規正法が定めた政治団体間の寄付の年間限度額は5千万円。日歯連は10年3月30日に「西村まさみ中央後援会」と、西村氏が代表を務める「民主党参議院比例区第80総支部」に5千万円ずつを寄付した。支部は同年5月13日に5千万円を後援会に寄付していた。
取材に対し、日歯連は「政党支部の収支には全く関与しておらず、迂回寄付に当たるとは考えていない」、西村氏の事務所は「後援会への寄付は事実だが、政治活動に利用されるものであったと承知している。詳細は分からない」とそれぞれ文書で回答した。
日歯連をめぐっては、13年分の政治資金でも西村氏の後援会で5千万円が経由する形で、自民党の石井みどり参院議員の後援会に計9500万円が渡っていた疑いが指摘されている。〔共同〕