村上さんがプロデュースした幼児用卓球台。角が丸くなっている=大阪市生野区、橋本佳奈撮影
子供たちに卓球の魅力を伝えて競技人口を増やしたい――。ロンドン、リオデジャネイロの五輪2大会でメダルを獲得した日本女子代表監督だった村上恭和さん(59)が、自らプロデュースした幼児用の卓球台を全国に寄付する活動を始めた。26日、活動を紹介する会見を大阪市で開いた。
「今のトップ選手たちのほとんどは親が卓球経験者だが、そうでない子供たちでも幼少期から卓球できる機会を作ってあげたい」と、村上さんが「一般社団法人卓球ジュニアサポートジャパン」を3月に設立。全国の幼稚園や保育園、幼児施設に幼児用の卓球台を寄付する。2年がかりで出来た卓球台は、子供が安全に使えるよう公認台より30%小さくし、10センチ低くして、台の角を丸めるなど工夫した。
寄付の目標は1千台で、協力企業を募っており、現在3社から120台分の1200万円の寄付が集まった。全国から申し込みを受け付けており、「週に1回は利用する」「食卓代わりにしない」などの条件に見合えば寄付される。
日本では、幼少期に気軽に卓球できる環境が乏しい。法人の理事でシドニー、北京両五輪の女子代表監督だった近藤欽司さん(74)は「中国には公園に台があって老若男女が卓球に親しんでいる。その中国に勝つにはこれしかないと思った」と賛同した。村上さんは、この卓球台を使った幼児の全国大会を開くことも目指す。
卓球台の申し込みは卓球ジュニアサポートジャパンのホームページからできる。
http://www.ttjs.or.jp
(橋本佳奈)