【ワシントン=吉野直也】米上院は12日の本会議で、ヘーゲル国防長官の後任に指名されたカーター前国防副長官の人事案を賛成多数で承認した。オバマ政権4人目の国防長官として近く正式に就任する。中東の過激派「イスラム国」の掃討作戦やウクライナ危機などへの対応が当面の課題となる。
カーター氏は4日の上院軍事委員会の公聴会で、イスラム国掃討に向けた戦略の見直しに言及。地上部隊の投入など米政権が11日に議会に提出したイスラム国などへの武力行使を認める新たな国会決議案の内容を先取りしていた。沖縄の米軍普天間基地の移設問題や日本との防衛協力指針(ガイドライン)改定も焦点だ。
カーター氏は英オックスフォード大で理論物理学の博士号を取得。ハーバード大ケネディ行政大学院教授などを経てクリントン政権で国防次官補に就いた。オバマ政権では国防次官、副長官を歴任し、アジア重視戦略を主導した。
ヘーゲル氏はイスラム国などへの対応を巡りライス大統領補佐官(国家安全保障担当)らオバマ氏の側近と対立し、更迭された。