23日午前の東京外国為替市場で円相場は続落して始まった後、下値の堅い展開となっている。10時時点は1ドル=118円99銭~119円02銭近辺と前週末20日の17時時点に比べ17銭の円安・ドル高で推移している。
朝方は円売り・ドル買いが先行した。ギリシャの債務問題に対する懸念が後退したとの見方から、低金利通貨である円を売りドルを買う動きが優勢だった前週末の海外市場の流れを引き継いで始まった。
日銀は8時50分、1月20~21日に開催した金融政策決定会合の議事要旨を公表したが、市場の反応は限られた。金融政策の現状維持の決定は市場の予想通りで「注目度も高くなかった」(外国証券)との見方があった。日銀の黒田東彦総裁は10時40分から衆院予算委員会に出席する。物価や景気の見通しについての発言が注目される。
日経平均株価が続伸し連日高値を上回って推移しているが、円相場では目立った反応は出ていない。「株高を支えているのは国内投資家が中心」(外国銀行)とされ、海外投資家はイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言に注目しており「様子見姿勢から持ち高調整の売買にとどまっているようだ」(同)との指摘があった。
10時前の中値決済については「ドルがやや不足気味だった」(国内銀行)との観測が出ていた。「国内輸出企業の円買い・ドル売り注文が入った」(同)との見方があった。
円は対ユーロで反落して始まった後、下げ渋っている。10時時点では1ユーロ=135円38~42銭近辺と、同44銭の円安・ユーロ高で推移している。
ユーロは対ドルで反発して始まった後、小動き。10時時点では1ユーロ=1.1375~79ドル近辺と同0.0020ドルのユーロ高・ドル安で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕