【ニューヨーク=杉本貴司】米運輸省は25日、高速道路交通安全局(NHTSA)がタカタに対し、リコール(無償修理)のため回収したエアバッグ部品の「インフレーター」を全品保管するよう命じたと発表した。NHTSAはタカタに対する調査基準を格上げし、これらの部品の分析を強化することで欠陥の原因特定を急ぐ。
タカタ製エアバッグは衝突時に金属片が飛び出す可能性があり、これまでに米国内で複数の死亡事故が確認されている。2008年以降、同エアバッグを採用する自動車メーカーが合計1700万台以上をリコールしているが、欠陥の根本的な原因は分かっていない。
NHTSAはタカタに対する調査基準を「エンジニアリング分析」に格上げする。欠陥調査の通常のステップだとしている。理由として原因分析や訴訟時の証拠に使う目的に加え、「タカタが当局に対し安全性に関する欠陥の報告を拒んだことが、連邦法や規制に違反するかどうかを決めるため」としている。
タカタは「NHTSAに全面的に協力する」との声明を出した。
NHTSAは20日にタカタに対して、調査への協力が不十分として1日あたり1万4千ドル(170万円弱)の罰金を科すと公表したばかり。タカタが「驚き、失望した」と反発したこともあり、米国内で「タカタたたき」が再燃する可能性も高まっている。