【NQNニューヨーク=古江敦子】12日のニューヨーク外国為替市場で円相場は前日比15銭円高・ドル安の1ドル=121円25~35銭と、6営業日ぶりに反発して取引を終えた。朝方発表の2月の米小売売上高が3カ月連続で前月から減った。米経済の約7割を占める個人消費の勢いが鈍っていると受け止められ、円など主要通貨に対してドル売りが広がった。
小売売上高は前月比0.6%減と、増加を見込んでいた市場予想を大きく下回った。米長期金利が一時的に大幅に低下し、日米金利差の縮小を受けた円買い・ドル売りを促した面もあった。足元で円安・ドル高が急速に進んでいたため、当面の利益を確定する目的の円買い・ドル売りが入りやすかった。円は120円66銭まで上昇した。
買い一巡後は上値が重くなった。米長期金利が低下幅を縮めたほか、米小売売上高の結果は年内の利上げを視野に入れる米連邦準備理事会(FRB)の基本姿勢には影響しないとの見方が徐々に広がった。小売売上高の低迷は米北東部の大雪が販売に影響したとの指摘があった。円の安値は121円42銭だった。
円は対ユーロで3日ぶりに反落し、前日比80銭円安・ユーロ高の1ユーロ=128円85~95銭で取引を終えた。ドルに対するユーロの上昇圧力が強く、円に対してもユーロ買いが優勢になった。
ユーロは対ドルで3日ぶりに反発し、前日比0.0090ドル高い1ユーロ=1.0630~40ドルで終えた。足元で急速にユーロ安・ドル高が進んだため、持ち高調整を目的としたユーロ買い・ドル売りが優勢だった。低調な米小売売上高もユーロを買い戻すきっかけになった。
ユーロの高値は1.0684ドル。安値は1.0589ドルだった。