秋田県仙北市の乳頭温泉郷で18日夕、源泉の調整作業をしていた同市の職員ら3人が死亡した事故で、仙北市は19日、地元消防や県警と対策会議を開いた。事故の経緯や現場の状況を調査し、安全対策や観光客らに向けた情報発信に努めることで一致した。
会議後の記者会見で門脇光浩市長は「市の温泉事業での重大な事故であり、心からおわび申し上げる」と陳謝した。現地に向かった職員の車にガスマスクや検知器が残されており、倒れた時は装着していなかったことを明らかにした。
市側は「事故現場は源泉から約200メートル離れており、経験則で危険性がないと判断したのではないか」と述べた。
県警は同日、消防と合同で現場の実況見分を始めた。3人の遺体を司法解剖し、死因を詳しく調べている。
事故は18日午後5時ごろ発生。いずれも仙北市に住む作業員の坂本栄さん(78)と羽根川次吉さん(67)、仙北市職員の柴田政文さん(42)が死亡した。硫化水素による中毒の疑いがある。
仙北市によると、湯温や湯量を調整する作業を終え、源泉から離れた場所に移動した坂本さんと羽根川さんが最初に倒れ、2人を助けに行った柴田さんも倒れたという。〔共同〕