【ハノイ=富山篤】ベトナムの最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長が7~10日、訪中することが分かった。昨年以降、懸案となっている南シナ海の領有権問題を習近平国家主席と話し合うとみられる。同書記長はベトナム戦争終結40周年、米越国交正常化20周年にあたる今年、共産党書記長として初めて訪米する予定。訪米前に中国との関係を改善する狙いがある。
ベトナムの国営メディアが伝えた。チョン書記長の訪中は2011年10月以来、約3年半ぶり。中国は昨年5月、南シナ海の西沙(パラセル)諸島付近で石油掘削作業を実施。ベトナム側は猛反発し、中国系の工場が襲撃されるなどデモが起きた。その後もベトナムの漁船と中国船の衝突が相次いでいる。
ベトナム政府は西沙諸島と南沙(スプラトリー)諸島がベトナムの主権に属しているという見方は変えておらず、中国との交渉は難航も予想される。