日本骨髄バンクは8日までに、30代男性から骨髄を採取する際、骨盤付近の動脈を傷つけて内出血が起き、男性が緊急入院したと発表した。止血を施し、容体は安定しているという。バンクは全国175の骨髄採取認定施設に症例を報告するとともに注意喚起した。外部の専門家を交えた調査委員会を設置し、詳しい原因を調べる。
バンクを介しての骨髄移植は今年2月末までで約1万8千件。過去に提供後の重い健康被害は6件で、骨盤周辺組織での血腫や急性C型肝炎などがあるという。
男性は3月下旬にバンクを介して骨髄を提供した。採取のため4日間入院したが、退院後、2日目から痛みやはれ、ふともものしびれ、歩行困難などの症状が出た。
コンピューター断層撮影装置(CT)で調べたところ、骨盤近くの動脈の動脈瘤(りゅう)とお尻の筋肉に内出血が見つかった。今後リハビリをするという。〔共同〕