【ロンドン=黄田和宏】フィンランドの通信機器大手ノキアが同業の仏アルカテル・ルーセントの携帯通信機器部門の買収を検討していることが13日、明らかになった。昨年4月に米マイクロソフトに携帯電話端末事業を売却して以降、初めての大型買収案件となる。買収により業界におけるシェアを高め、中核事業に据える通信機器事業を強化する狙いだ。
仏経済紙レゼコーなどの欧米メディアが報じた。買収が実現すれば、世界シェアは3割強となり、最大手エリクソン(スウェーデン)に迫る規模になる。
通信機器業界では先進国における携帯電話会社の高速通信網への投資が一巡し、高速化を進める新興国では中国勢の華為技術(ファーウェイ)などが影響力を強めている。競争環境が厳しくなるなかで、規模拡大により収益力を高める。
アルカテルの時価総額は、13日時点で約110億ユーロ(約1兆4000億円)。携帯通信機器部門の2014年の売上高は約47億ユーロだった。