【ワシントン=共同】米紙ワシントン・ポスト電子版は18日、米連邦捜査局(FBI)の専門家によって1970~90年代に刑事裁判で証拠として提出された被告人の毛髪鑑定結果のうち、95%以上に不備があったとする米弁護士団体の調査結果を伝えた。
FBIと米司法省もミスがあったことを認め、当事者に通知する方針。殺人現場などに落ちていた毛髪と被告人の毛髪が一致したとの鑑定結果を証言する際、不正確な統計データなどに基づいていたのが原因らしい。すでに年月が経過した事件が多いが、裁判結果が見直される可能性がある。
調査によると、72~99年に行われた刑事裁判で毛髪鑑定が被告人に不利な証拠として提出された268件のうち、257件に問題が見つかった。うち32件に死刑判決が出ている。団体はほかに約1200件を調査中で、さらに件数は増えるとみられる。
疑惑は同紙が2012年に報じて調査が始まった。同紙によると、捜査当局は00年以降、DNA鑑定と併用して別人の可能性を排除するなど毛髪鑑定のあり方を見直している。