神奈川県湯河原町の平井美江さん(66)宅が燃え、焼け跡から刃物が刺さった平井さんとみられる女性の遺体が見つかった事件で、火災発生の約6時間前、付近で傷害事件が起きていたことが21日、小田原署への取材でわかった。約350メートル離れた同町土肥の集合住宅の一室に男が押し入り、住人の男性(61)の頭を鉄パイプのようなもので殴って逃走したという。
男性は頭にけがをした。署は傷害などの疑いで男の行方を追うとともに、発生時刻、場所が近いため、2つの事件の関連を調べている。
県警によると、男は20~30代とみられ、身長170センチぐらい。灰色っぽいパーカを着て、手ぬぐいで顔を隠していた。男性は部屋に鍵を掛けていなかった。
21日午前0時ごろ、男性が1人でテレビを見ていると男が玄関から押し入り「あんたから金は取れない」と話し、頭を2回殴った。自分の境遇についても口にしていたという。
男性は男ともみ合いになり、隙を見て部屋の外に逃げた。男は追い掛けてきたが、途中で別方向に走っていった。
平井さん宅の火災は21日午前6時ごろに発生。遺体はベッド上で布団をかぶり、あおむけの状態で見つかった。額右側に包丁のような刃物が、刃が全て隠れるほど深く刺さっていた。署は身元の確認を急いでいる。〔共同〕