【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アップルが27日発表した1~3月期決算で、売上高は前年同期比27%増の580億1千万ドル(約6兆9千億円)、純利益が33%増の135億6900万ドルになったと発表した。増収増益は5四半期連続。スマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」などの販売が好調で、中国の旧正月商戦をてこに業績を伸ばした。
iPhoneの販売台数は40%増の6117万台、パソコン「Mac」は10%増の456万台となった。一方、タブレット(多機能携帯端末)「iPad」は買い替え期間の長期化の影響が続き、23%減の1262万台にとどまった。ソフト・サービスの売上高は9%増。地域別では中国の売上高が71%増となった。
新製品の腕時計型端末「アップルウオッチ」は発売が4月24日で1~3月期の業績には含まれていない。電話会見でティム・クック最高経営責任者(CEO)はウオッチについて「素晴らしい出足」としたうえで「6月下旬に販売地域を広げる」と語った。
アップルは同時に2017年3月末までに株主還元額を従来計画より700億ドル上積みすると発表した。還元を始めた12年からの合計額は2000億ドル(約24兆円)に達する。従来は15年末までに計1300億ドルを還元する計画で、既に1120億ドル以上を実施済み。
好業績が続くアップルは手元資金が1900億ドル規模に膨らんでおり、投資家から株主還元の強化を求められていた。27日の米株式市場の時間外取引で、アップルの株価は同日終値比1%程度値上がりして推移している。