【ワシントン=共同】バイデン米副大統領は29日、安倍晋三首相が米上下両院合同会議での演説で「先の大戦に対する痛切な反省」を表明したことについて、歴史問題で「責任が日本の側にあることを非常に明確にした」と述べた。演説終了後、共同通信などの取材に答えた。
オバマ政権として首相の歴史問題への言及を評価した発言。同時に、日本の「責任」に言及することで、韓国や中国との関係改善に向けたさらなる取り組みを促したともいえそうだ。
上院議長も兼ねるバイデン氏は首相演説について「極めて巧みで、意味深い」ものだったと称賛。歴史問題が日韓、日中の間で「非常にデリケートな問題となってきた」と指摘した上で、首相が中韓を含む「すべてのアジアの近隣国への共感を伝えた」と語った。
首相は演説で「アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない。思いは歴代首相と全く変わるものではない」と語った。「侵略」や「おわび」といった表現は使わず、旧日本軍による従軍慰安婦問題にも触れなかった。