【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は11日、交渉が難航中のギリシャ向け金融支援を巡って、ブリュッセルでユーロ圏財務相会合を開く。焦点はEUなど債権団が凍結中の72億ユーロ(約9700億円)の融資の再開へ進展を示せるかどうかだ。合意が見通せなければ、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念が強まる可能性がある。
EU側はギリシャ側から具体的な財政改革案が示されない限り、融資再開に応じない姿勢を強調してきた。ギリシャのチプラス首相は10日、今会合で「(支援協議の)進展を示す明確な声明が必要だ」と求めた。だが「反緊縮」を掲げるチプラス政権の財政運営に対するEU側の懸念は強く、合意は厳しい情勢だ。
ギリシャは12日に国際通貨基金(IMF)への7.5億ユーロの支払いを控えるなど資金繰りが厳しさを増している。市場は財務相会合で融資再開に向けた進捗がどこまで示されるかを注視している。