【リオデジャネイロ=共同】アルゼンチンのサッカーでともにブエノスアイレスを本拠地とし、南米随一のダービーマッチとして知られるボカ・ジュニアーズ―リバープレートで14日、ファンが選手に催涙スプレーを噴射したために試合が中止となった。両者の対戦では観客の衝突が頻発するが、今回は多くの選手に危害が及んだことで大騒動に発展した。
舞台は南米のクラブ王者を決めるリベルタドーレス杯の決勝トーナメント1回戦第2戦だった。アルゼンチンの報道によると、2試合合計1―0とリードするリバープレートの選手が後半のピッチに向かう途中、ボカのサポーターに催涙スプレーを浴びせられ、角膜に炎症を起こした。超満員の競技場が騒然とする中、1時間以上の協議後に中止が決まった。
南米に根付くファンの暴徒化問題の深刻さを赤裸々にし、隣国ブラジルや欧州のメディアも「恥ずべきだ」などと厳しく断じた。南米サッカー連盟は15日に処分の手続きを開始。ボカのアンヘリシ会長は「この国のサッカーの実態を見つめ直さなければ。重罰を覚悟している」と話した。