福岡県警は10日、急増するニセ電話詐欺(特殊詐欺)の被害を県民全体で阻止するため、県民が参加する「ニセ電話気づかせ隊」を発足すると発表した。だまされている恐れがある人に声を掛けたり、被害防止のための広報啓発活動に取り組んだりする。参加隊員が50万円以上の被害を阻止した場合は、感謝状と3千円相当の品物を贈呈する。今年度中に5千団体、10万人の参加を目指す。
気づかせ隊は15日に発足する。2人以上の団体が参加でき、銀行などは支店ごとに参加してもらう。活動を普及する推進委員会の委員長には小川洋福岡県知事が就く。推進委は県や県警のほか、県内の銀行協会、タクシー協会、老人クラブ連合会などで構成。それぞれの加盟企業などに気づかせ隊への参加を促してもらう。
県内の今年の特殊詐欺被害額は既に11億円を突破し、昨年の倍増ペースで推移している。一方、銀行の窓口で声を掛けるなどして、今年は計約4億7500万円(5月末時点)の被害を阻止しているという。気づかせ隊の発足で被害抑止を一層強化する。