青酸化合物による連続殺人事件で、大阪や兵庫など4府県警合同捜査本部は11日、約4千万円の借金返済を免れようと神戸市の男性に青酸化合物を飲ませたとして、筧千佐子被告(68)=夫ら2人への殺人罪で起訴=を強盗殺人未遂の疑いで再逮捕した。千佐子容疑者の逮捕は3度目。
捜査本部によると、筧容疑者は「私がやったことに間違いありません」と容疑を認めている。
再逮捕容疑は、2007年12月18日午後2時ごろ、神戸市北区の無職、末広利明さん(死亡当時79)から借りた少なくとも約4千万円の返済を免れようと、同市中央区または周辺で、末広さんに致死量の青酸化合物を飲ませて殺害しようとした疑い。末広さんは間もなく臓器の機能障害や視力障害に陥り、入退院を繰り返した後の09年5月に死亡した。
捜査関係者によると、2人は05年夏に結婚相談所を通じて知り合い、同年9月、末広さんの銀行口座から千佐子容疑者の口座への送金が始まった。口座間のやり取りは犯行直前とみられる07年12月11日まで数十回にわたって継続。同容疑者は金融商品などの投資に充てる目的で資金を借りたが、多額の損失を出したとみられる。