福岡県警の元警部が2012年に銃撃され重傷を負った事件で、県警は6日、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの容疑で、暴力団工藤会(本部・北九州市)トップの総裁、野村悟容疑者(68)やナンバー2の会長、田上不美夫被告(59)=別の同法違反罪などで起訴=を再逮捕するとともに、他の16人も逮捕・再逮捕した。野村容疑者の逮捕は5回目。
県警は18人の認否を明らかにしていないが、野村容疑者が実行役に犯行を指示したとみている。
また福岡地検は同日、野村容疑者が傘下組織から集めた上納金のうち、個人所得に当たる約6億2900万円を申告せず、所得税約2億4800万円を脱税したとして、所得税法違反罪で起訴した。
野村容疑者の逮捕容疑は2012年4月19日午前7時すぎ、北九州市小倉南区湯川新町4の路上で、近くに住む元福岡県警警部(64)の左大腿部付近を拳銃で2発命中させ、殺害しようとした疑い。
元警部は勤務先の病院に向かうため自宅から300メートルほど離れた路上を歩いていたところ、前から近づいてきたバイクに乗った男にすれ違いざまに銃撃された。元警部は工藤会などの暴力団捜査に長年携わってきた。