奈良県香芝市のリサイクルショップで４日午後に小学６年の女児（11）が行方不明となり、翌日夜に保護された事件で、監禁容疑で現行犯逮捕された無職、伊藤優容疑者（26）＝同県橿原市＝が、用意した粘着テープで女児の口をふさごうとしたが抵抗され、結束バンドで拘束していたことが６日、捜査関係者への取材で分かった。

女児は５日夜、同県大和高田市内で伊藤容疑者が運転するワゴン車内で県警の捜査員に保護された際、両手を結束バンドで縛られていた。県警は計画性があったとみて動機などの解明を進める。

また連れ去り時、伊藤容疑者が、店のトイレ付近で待ち伏せしていた可能性が高いことも判明。県警は、伊藤容疑者がトイレに１人で入る女児を確認して後を追い、無理やり連れ去った可能性が高いとみて、未成年者略取の疑いでも調べる。

伊藤容疑者が住む集合住宅周辺では今年２月、女子中学生が、自転車に乗った見知らぬ男に「どこ行くの」と声を掛けられ、県警に相談していたことも県警や近隣住民への取材で分かった。男は集合住宅に出入りしていたといい、県警が関連を調べる。

県警などによると、伊藤容疑者は県内の定時制高を卒業後、郵便局で約２年間パート勤務。数年前には橿原市の介護施設で働いていた。元同僚の男性は「次第に遅刻や無断欠勤を繰り返すようになり、２～３カ月で辞めていった」と話した。

女児の両親は県警を通じ「無事保護していただき心から感謝申し上げます。思いがけない出来事に遭遇し、心を痛めております」などとのコメントを出した。〔共同〕