【シカゴ=野毛洋子】米農務省は12日、8月の穀物需給を発表した。米産大豆とトウモロコシの今秋の収穫量推定を市場予想に反して前月から引き上げた。大豆は前月比3100万ブッシェル増の39億1600万ブッシェル、トウモロコシは1億5600万ブッシェル増の137億ブッシェルを見込んだ。
6月の長雨を減産要因とみていたアナリストの予想平均(ロイター通信集計)は、大豆が37億2400万ブッシェル、トウモロコシが133億2700万ブッシェルだった。
同省は収穫増の見通しを反映し、期末(2016年8月末)在庫推定も前月から引き上げた。トウモロコシは1億1400万ブッシェル増の17億1300万ブッシェル、大豆は4500万ブッシェル増の4億7000万ブッシェル。米産小麦の期末(16年5月末)在庫推定も800万ブッシェル増の8億5000万ブッシェルと5年ぶりの高水準だった。
市場には「今回の収穫量推定は予想外の数字だった。ファンドの買い持ち解消売りが加速した」(米穀物アナリスト)との声が聞かれた。