日本政府観光局が16日発表した2015年1~8月の訪日外国人客数は前年同期比49%増の1287万人だった。2014年の年間の1341万人に匹敵する。円安で日本での滞在や買い物が割安になり、政府による査証(ビザ)の発給要件緩和などが追い風となった。中国株の乱高下が続いていたが、中国からの訪日客の伸びは高水準だった。
8月単月での訪日客数は前年同月比64%増の181万7100人だった。単月として過去最高だった7月の191万8400人に次ぐ規模だ。航空路線の拡大や大型クルーズ船の寄港が増加したことが寄与した。
8月の訪日客数を国・地域別にみると、中国が前年同月に比べ2.3倍の59万1500人で首位となった。2位は韓国の39万1000人(56%増)、3位は台湾の31万3900人(37%増)、4位は香港の14万1500人(89%増)だった。
6月からの中国株の株安や、人民元の大幅な切り下げで中国からの訪日客の動静に注目が集まっていたが、8月の中国からの訪日客は2カ月連続で50万人台を記録するなど好調だった。市場では「中国では富裕層だけでなく中流層からの訪日客が増えている」(SMBC日興証券の圷正嗣株式ストラテジスト)と、今後も訪日客の増加傾向が続くと予想する声があった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕