【NQNニューヨーク=古江敦子】8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前日比1.62ドル高の1バレル49.43ドルで取引を終えた。一時は50.07ドルと、期近物として7月22日以来ほぼ2カ月半ぶりの高値をつけた。ロシアがシリアへの軍事行動を強めたと伝わり、中東の地政学リスクを意識した買いが加速した。
ロシアが7日、カスピ海から巡航ミサイルをシリアに向けて発射したと伝わった。シリアは主要産油国ではないが、混乱がイラン、イラクなど周辺の産油国に波及すれば、中東原油の供給が滞るとの観測が高まった。
米国で原油生産が減少傾向にあるとの見方も引き続き相場を支えた。
ガソリン、ヒーティングオイルも反発した。
金先物相場は5営業日ぶりに反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である12月物は前日比4.4ドル安の1トロイオンス1144.3ドルで終えた。相場上昇が続いた後とあって、目先の利益を確定する売りが優勢だった。
ただ、通常取引が終了した後の時間外取引で、12月物は上げに転じる場面があった。米連邦準備理事会(FRB)が発表した9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、世界景気や金融市場の不安定な動きが米景気の下押し要因になるとの見方が示されたことが改めて明らかになった。利上げの開始時期がこれまでの想定より遅くなり、金市場への資金流入が続くとの見方が買いにつながった。
銀は5営業日ぶりに反落した。プラチナは5日続伸した。