最近の地銀再編の動き
ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)は10月に予定していた経営統合を無期限に延期する方針を固めた。1月に、当初4月としていた統合を半年間延ばしたばかり。長崎県内でのシェアが高くなりすぎるとして公正取引委員会が懸念を示しており、審査が通るめどがたっていないため。公取委の審査で企業の統合が無期限延期となるのは異例だ。
来週に発表する。統合を目指す姿勢は維持するが、公取委との溝は大きく、統合の実現は事実上困難な状況になっている。統合すれば国内最大の地銀グループになるとみられていた。
親和銀行(長崎県佐世保市)を傘下に持つFFGと十八銀が統合すると、長崎県内の企業向け融資シェアは7割となる。健全な競争がなくなり、金利上昇などを引き起こしかねないと公取委が懸念し、審査が難航している。銀行側はシェアを引き下げるための債権譲渡も検討しているが、公取委が望む規模とは大きな隔たりがある。
10月統合のためには臨時株主総会の準備などから7月中に公取委の認可が必要だったが、間に合わなかった。銀行側は当初、半年の再延期を軸に検討していた。期限を定めないと事実上の断念と受け止められ、行員や取引先の動揺を招きかねないからだ。しかし「公取委との交渉ごとなので、こちらで期限を定められるものでもない」(幹部)と方針を変えた。
マイナス金利や人口減で地方銀…