【ストックホルム=西山彰彦】ノーベル物理学賞を受賞する梶田隆章・東京大学宇宙線研究所長(56)夫妻と、同生理学・医学賞を受賞する大村智・北里大学特別栄誉教授(80)親子は8日夜、ストックホルム・コンサートホールで開かれた「ノーベル賞コンサート2015」を堪能した。
会場はブラックスーツの紳士と着飾ったドレス姿の淑女で埋まった。ステージにはクリスマスの飾り付けが施された。
指揮者のフランツ・ウェルザーメスト氏が登場し、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番で幕を開けた。ピアノ奏者は10月に東京でリサイタルを開いたダニール・トリフォノフ氏。流れるような指先から奏でる優美な調べと躍動感のある演奏に聴衆は魅了された。リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」の演奏が終わると、総立ちの拍手に包まれた。
梶田さん夫妻と大村さん親子は2階の貴賓席の最前列で聴き入った。梶田さんは演奏終了後、「ピアノがすばらしかった」。妻の美智子さんも「ピアニストは若いのに、本当にすばらしい」と話していた。