横浜の傾斜マンション問題を受けて愛知県が実施していた県発注工事の杭(くい)工事に関する調査結果が18日、まとまった。過去10年に施工された住宅や庁舎、橋梁などの工事の杭打ちについて、旭化成建材以外の業者が実施したものは348件あったが、いずれも現地調査の結果、傾きなどの不具合はなかった。ただ、3つの物件で、データの流用が認められたという。
調査対象になった建物のうち、書類上で杭が地盤に到達していたのは275件、保存年限を経過して県に書類がなく、元請け会社にも書類がなかったためチェックできなかった物件が70件あった。
データの流用があった3件は、豊田市の県営住宅、安城市の県立高校、小牧市の大型貯水槽(広域調整池)で、いずれも同じ杭打ち業者が手掛けていた。
なお、県が発注した工事のうち、旭化成建材が杭打ちを手掛けた物件は常滑高校の1件あり、10月時点での調査では、問題はなかったという。