【NQNニューヨーク=古江敦子】20日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が大幅に3日続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2月物は前日比1.91ドル(6.7%)安の1バレル26.55ドルで終えた。一時は26.19ドルまで下げ、期近物として2003年5月8日以来、約12年8カ月ぶりの安値を付けた。世界景気の減速で原油需要が伸び悩むとの見方が強まり、先物に売りが膨らんだ。
中国景気の減速懸念が根強いほか米国では朝方発表の昨年12月の住宅着工件数が前月から減り、米景気の回復鈍化が意識された。新興国景気の落ち込みも鮮明になっており、世界的な景気低迷が原油需要を抑えるとの見方が改めて広がった。
相場は28ドル、27ドルと節目を割り込むたびに損失を限定する目的の売りを巻き込んで下げ幅を広げた。期近物の交代を前に持ち高を調整する目的の売りも出やすかった。
ガソリンは反落。ヒーティングオイルは3日続落した。
金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である2月物は前日比17.1ドル高の1トロイオンス1106.2ドルで終えた。米株式相場が急落し、市場の不安心理が高まった。リスク回避姿勢が強まった際に資金の受け皿になりやすい金に買いが向かった。
金融市場の不安定さを背景に米連邦準備理事会(FRB)が当面は政策金利を据え置くとの見方が浮上し、資金流入が続くとの連想が金相場を支えた。
銀は3日続伸。プラチナは反落した。