キヤノンは27日、社長兼最高執行責任者(COO)に真栄田雅也専務(63)が3月30日に就く人事を発表した。御手洗冨士夫会長兼社長兼最高経営責任者(CEO、80)は会長兼CEOを続ける。真栄田氏はデジタルカメラ開発などで実績を出してきた。同日の記者会見で真栄田氏は成長路線への回帰のために「強い製品を継続して投入し、これを最先端の生産技術でつくる」と述べた。主な一問一答は以下の通り。
――再成長のために何に取り組むのか。
真栄田氏「私に与えられたミッションは事業の強化だ。強い製品とこれを効率的に生産する体制を作る。これを全社に展開すれば強い事業を持つキヤノンになると思う」
――2人の役割分担をどうするのか。
御手洗氏「ともに会社全体をみるが、社長には開発・生産・販売という事業強化を重点的にみてもらう。私は人事や対外折衝、海外営業を重点的にみる。特に営業については社長は生産面から、私はマーケティングからみていきたい」
――現在の体制はいつまで続けるのか。また真栄田氏を社長とした時期や理由は。
御手洗氏「いつまでかは全く考えていない。2011年ごろから会社の成長が鈍ったと肌で感じ、後任を探していた。再び成長させるには事務系よりも技術系がいいだろうと思い、カメラ事業を発展させた真栄田氏も考えていた。真栄田氏には15年秋の展示会を担当させた。そうなれば全事業部と関わることになるが、(展示会を)成功させたことで評価した」
――真栄田氏を後任CEOと選んだということか。それとも別途選ぶのか。
御手洗氏「そういう面倒くさいことはしたくない」