娘の墓に手を合わせる岩上剛さん=石川県白山市
群馬県藤岡市の関越道で乗客7人が死亡、運転手を含め39人が重軽傷を負った高速ツアーバス事故から29日で4年を迎える。事故を繰り返さないため何ができるのか。一人娘の胡桃(くるみ)さん(当時17)を亡くした石川県白山市の岩上剛(いわかみつよし)さん(44)は自問自答している。
2012年4月29日。群馬県警から連絡を受け、現場近くの安置所へ。棺へ近づくと少し見えた額と前髪だけで娘と分かった。「もう見られん」。泣き崩れた。
金沢市内の高校に通う胡桃さんは看護師をめざしていた。2日前、「父さんが病気になったら助けてね」とメールすると「わかったよ」と返信をくれていた。
「くる、結婚したい人がおったんです」。通夜で友人が教えてくれた。一つ年上の彼がいたと初めて聞いた。「好きな人がいて夢もあった。生きさせてあげたかった」。葬儀では友人が用意した白いウェディングドレスを着せて見送った。