多くの報道陣が待ち構えるなか、笠原将生容疑者を乗せた車両が原宿署に入った=29日午後4時52分、東京都渋谷区、長島一浩撮影
プロ野球・巨人の元投手らによる野球賭博問題で、警視庁は29日、元投手の笠原将生(しょうき)容疑者(25)=福岡市東区=を賭博開帳図利(とり)の幇助(ほうじょ)容疑で、飲食店経営者とされていた無職斉藤聡容疑者(38)=福岡市中央区=を賭博開帳図利の疑いでそれぞれ逮捕し、発表した。ともに容疑を認めているという。
特集:野球賭博問題
警視庁は、笠原容疑者が胴元の斉藤容疑者と複数の元投手を仲介するなど、賭博の中心的な役割を果たしていたと判断。強制捜査に踏み切った。
組織犯罪対策4課によると、笠原容疑者は2014年5月~15年3月に行われたプロ野球の10試合で、松本竜也(23)、高木京介(26)の両元投手から賭け金を集めるなどして、斉藤容疑者の野球賭博を手助けした疑いがあるという。
同課は松本、高木両元投手についても賭博容疑で立件する方針で、ほかに野球賭博を認めている福田聡志元投手(32)と、福田元投手の賭博相手の大学院生についても捜査を進める。
日本野球機構(NPB)の調査結果によると、高木元投手は14年4~5月の8~9試合、松本元投手は14年6~10月の十数試合、それぞれ笠原容疑者を通じて斉藤容疑者の賭けに参加していた。笠原容疑者自身も、14年4~10月にプロ野球の計10~20試合を斉藤容疑者に賭けていた。
一連の問題は昨年10月に発覚し、巨人は笠原、福田、松本の元投手3人を解雇。その後、新たに高木元投手が関わっていたことが判明し、渡辺恒雄・最高顧問ら球団幹部が引責辞任する事態に発展した。
笠原容疑者は、巨人で主に中継ぎ投手として12~15年に計80試合に登板。通算成績は7勝1敗1セーブ、防御率は4・34。