男子走り幅跳び(T42)で世界記録を更新し、記録が表示された掲示板の前でガッツポーズをする山本篤=井手さゆり撮影
リオデジャネイロ・パラリンピック代表選考会を兼ねた、障害者陸上の日本パラ陸上選手権大会は1日、鳥取市のコカ・コーラウエストスポーツパークで最終日があり、男子走り幅跳びは片大腿(だいたい)切断などのT42クラスで、北京パラリンピック銀メダリストの山本篤(スズキ浜松AC)が、6メートル56の世界記録で優勝した。従来の記録を3センチ上回った。山本は「練習の時から体が軽く、1本目はファウルだったが7メートル近い跳躍が出て、今日はいけると感じた。記録を出せてうれしい」と話した。女子は片下腿切断などのT44クラスで中西麻耶(大分身障陸協)が、自身が4月の国内大会で打ち立てたアジア記録を、さらに3センチ上回る5メートル51で頂点に立った。
山本篤特集 「常識を越える力」(チャレンジド)
■世界記録を3センチ更新
この日、最も会場を沸かせたのは、男子走り幅跳びの山本だった。4回目の跳躍。義足の反発力を最大限に生かして高く跳び上がり、6メートル56をマーク。昨年6月にデンマーク選手が樹立した世界記録を3センチ更新した。「うれしい。やってきたことが間違いではなかった」と笑顔。直前は女子の中西のアジア記録を更新する大ジャンプを目の当たりにした。「(足の)切断組の選手の活躍は刺激になる。お互いに世界を目指してやっていきたい」