けがを防ぐポイントは?
春の運動会シーズンがやってくる。けが人が相次いで問題になった組み体操をめぐり、教育現場では模索が続く。実施継続を決めた自治体の中では、教員たちが安全にするための教え方や、大技でなくとも見栄えがする工夫などを学び始めたところもある。
「最初は同じ体格の子同士でやらせてみましょう」。4月22日、千葉県市川市のスポーツセンター。日体大の三宅良輔教授が、体操服姿の教員たちに語りかけた。集まったのは小学校の体育主任ら39人。同市教育委員会が初めて開いた組み体操の安全指導研修会だ。
組み体操では、大きな子は下になり、小さな子が上に乗るのが一般的。あえて同じ体格の子で組ませるのは、上も下も体験させることが狙いだ。
「下の人の耐える重みを知っていれば、乗る時に『痛みを軽減させよう』という気遣いが生まれる。上に乗ってグラグラと揺れる不安定さを知れば、下になった時に『しっかり支えよう』という気持ちが生まれる」。それが事故を防ぐ第一歩だと三宅教授は言う。参加した男性教員(36)は「勉強になった」と話す。
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