東京都葛飾区の住宅が燃え、住人の男性が死亡した火災で、警視庁は11日、男性の弟で川崎市麻生区虹ケ丘2丁目の無職長尾伸二容疑者(58)=現住建造物等放火予備罪で起訴=を、殺人と現住建造物等放火の疑いで再逮捕し、発表した。容疑について「いくつか納得できないところもある」と話しているという。
捜査1課によると、長尾容疑者は4月9日未明、葛飾区西亀有1丁目の長尾豊さん(当時61)宅に火をつけ、豊さんを殺害した疑いがある。宅内からはガソリンが入った携行缶などが見つかった。長尾容疑者が缶を持ち込み、放火した後に車で現場を立ち去ったと捜査1課はみている。
捜査関係者によると、豊さんは足が不自由なため車いす生活で、自分で動くことが難しかった。長尾容疑者は逮捕前、周囲に「兄のせいで人生を狂わされた」などと話していたという。捜査1課は、兄弟間で何らかのトラブルを抱えていたとみて動機を調べる。
長尾容疑者は豊さん宅の火災後、現金数百万円を持ってベトナムに渡航する計画だった。川崎市の自宅にも事前にガスを充満させ、ドアを開くと発火する装置を仕掛けた疑いがあるとして警視庁が4月10日に逮捕していた。