松井稼(左)が福田(左から3人目)にプレゼントした巨大グラブを話題に盛り上がる楽天の選手ら
(12日、楽天4―0西武)
「なんとかなるだろう」。“0行進”が続く八回、1死満塁。左打席に立った楽天・松井稼の心境だ。牧田の速球をコンパクトにとらえて右前へ。一塁に到達するやいなや、満面の笑みで振り返り、ベンチに右手を掲げた。
西武の菊池を前に、打線は七回までわずか3安打。味方がやっとつくったチャンスだった。相手が救援の切り札・牧田に代わっても、「ファンの声が後押ししてくれる」。40歳は冷静に、野球を楽しんでいた。
開幕から18打席連続で無安打。故障で先発を外れた時期もある。前日までの打率は1割8分8厘。それでも、起用し続ける梨田監督の信頼は揺らがない。
理由は、プレー面以外にもある。この日の練習前、グラウンドに段ボール箱を抱えて現れた。ミーティングで開けた箱の中には、普通の3倍ほども大きい特製グラブが。それを前日に中堅で落球した福田にプレゼント。「連敗中や、ああいうミスが出たら、やろうと思って用意してたよ」。しゃれの利いたサプライズに場は爆笑に包まれた。