九回の攻撃の前に円陣を組む九州学院の選手たち
高校野球の第138回九州地区大会(朝日新聞社後援)第2日は12日、長崎県営野球場などで2回戦5試合があり、ベスト8が出そろった。初出場の大村工(長崎)が日南学園(宮崎)に逆転勝ちし、40回目出場の佐賀商が九州学院(熊本)を下して2季ぶりに進出した。糸満(沖縄)は平安(ひらやす)が4安打完封の好投。このほか西日本短大付、福岡大大濠の福岡勢が勝ち進んだ。熊本、鹿児島、宮崎勢は姿を消した。
■九州学院「試合が楽しかった」
熊本市にある九州学院の選手は地震で実戦から遠ざかった。試合は4月7日の練習試合が最後だった。「みんな試合が楽しかったと思う。へこたれてばかりではいけない。若干でも奮起したところを見せられた」と、敗戦にも坂井監督の表情はどこか晴れやか。
評価したのは五回だ。敵失絡みの無死満塁から元村、田上の連打などで5点を奪った。3点差に迫り、序盤の大量失点で沈みがちの空気を一変させた。
地震直後は約10日間の自宅待機。野球どころではなかったが、大会が延期になり、辞退することなく出場できた。1番に起用され、八回に安打を放った1年生の緒方は「この大会で被災者は終わり。地震があったもんね、と同情されないよう普通のチームになります」とすがすがしかった。