「丸源ビル」の名称で貸しビルを展開する丸源(東京都)が北九州市に所有する2棟の消防設備などの不備を改善しなかったとして、福岡県警が同社と川本源司郎社長(84)を消防法違反(措置命令違反)の疑いで福岡地検小倉支部に書類送検していたことが、県警への取材で分かった。
送検は4月20日付。県警によると、同社と川本社長は同市小倉北区の雑居ビル2棟について、防火扉や誘導灯の不備、消防計画の未提出などを改めるよう命じた2014年4月の同市の改善命令に従わなかった疑いがある。
同社をめぐっては、防火態勢が不十分だとして市が12年から改善指導を続けていた。改善命令の履行期限の14年7月末を過ぎても違反が放置されたため、市が14年12月に刑事告発した。丸源グループは東京・銀座や福岡の繁華街に複数のビルを所有している。(井上怜)