7日目に低い立ち合いで北太樹(手前)を攻める宇良=竹花徹朗撮影
極端に低い体勢での立ち合いに、アクロバティックな投げ――。大相撲夏場所でピンクのまわし姿が土俵上で躍動している。関学大出身初の力士として脚光を浴びる新十両の宇良(23)=本名・宇良和輝、木瀬部屋=だ。
特集:どすこいタイムズ
173センチ、127キロ。角界では小柄な体から繰り出される多彩な技が売りだ。取組の時は、国技館に「うらーっ」の黄色い声が飛びかう。人気面ではすでに幕内クラスだ。
大阪府寝屋川市出身。相撲との出会いは4歳で、姉の影響でわんぱく相撲に参加した。ただ、幼少期に取り組んだのは体操で、小中学生はレスリングだった。それらの経験を、京都・鳥羽高進学後に本格的に力を注いだ相撲で生かし、小兵ならではの取り口を磨いた。懐に入り、両手で抱え上げて反りながら倒す「居反り」の使い手としてアマチュア相撲で注目を浴び、プロでの初土俵は昨年春場所。「2年で関取」の目標を大幅に短縮し、幕下付け出しを除くと史上4位タイの早さとなる所要7場所と約1年で新十両昇進を決めた。出世スピードに髪が追いつかず、大銀杏(おおいちょう)にはまだ遠いちょんまげ姿だ。