安美錦ははたき込みで錦木に敗れ、十両優勝を逃す=恵原弘太郎撮影
(28日、大相撲夏場所千秋楽)
関取最年長の元関脇、安美錦(38)=本名・杉野森竜児、青森県出身、伊勢ケ浜部屋=が、十両の千秋楽の土俵を沸かした。
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通算出場史上8位の1627回目の取組は、優勝がかかった錦木との一番。安美錦が勝てば、史上最年長の十両優勝だ。
立ち合いが2度合わず、3度目、引いて見事に突き落としたかに見えた。軍配も安美錦。が、審判部から物言いがついた。安美錦は「そのままいってくれ……」。二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は「体が落ちるのが同時とみて、取り直しといたします」。
気合を入れ直し、もう一番。観客が拍手で励ます。「久しぶりに大きい声援をもらったから、出し切ろうと。体の中が熱くなった」。今度は前に勢い良く突いて出た。だが、「体が動かないよ。前に出たけど、落ちちゃった」。はたかれて、耐えられず土俵に転がされた。
快挙達成はならなかったが、今場所は9勝6敗で勝ち越し。「来場所も頑張るよ」。昨年名古屋場所以来の幕内復帰に向け、ベテランの戦いは続く。