ルー米財務長官は21日、麻生太郎財務相との会談で、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で確認した「通貨安競争回避」の方針を守ることが大事だと強調した。米財務省が発表した。円高を抑えるための為替介入の可能性を示唆する日本を改めて牽制(けんせい)した形だ。
ルー氏は、今年2月の上海でのG20で合意した、「財政政策、金融政策、構造改革のすべての政策を動員する」という方針が「ここ数カ月間、世界経済に自信を与えている」と指摘。自国の輸出に有利となる為替の切り下げを避け、緊密に意思疎通することが大事だと強調した。ルー氏はまた、環太平洋経済連携協定(TPP)の迅速な承認の重要性も指摘した。(五十嵐大介)