「追悼の碑」の前で献花する最高裁の今崎幸彦事務総長=16日、厚生労働省、福宮智代撮影
国の隔離政策で被害を受けたハンセン病の元患者の名誉を回復し追悼する式典が16日、東京・霞が関の厚生労働省であり、全国の国立療養所で暮らす元患者ら約160人が参加した。患者の裁判を隔離された療養所内の「特別法廷」で開いていた問題で謝罪した最高裁から初めて、今崎幸彦事務総長が出席した。
今年で強制隔離を定めたらい予防法の廃止から20年、国の隔離政策を違憲と断じた熊本地裁判決から15年を迎えた。差別・偏見を生んだ国の政策を反省し、問題解決に全力を尽くすことを記した「追悼の碑」に出席者が献花。塩崎恭久厚労相が「こうした歴史を繰り返さないように決意します」と述べた。
全国ハンセン病療養所入所者協議会の森和男会長は「無念の中で亡くなった仲間の心を忘れず、今後もハンセン病対策問題の全面解決のために努力し続ける」と話した。