池田理代子さん=3月29日午後、大阪市中央区、槌谷綾二撮影
フランス革命で民衆とともに戦い、信念を貫いたオスカル。断頭台に散った王妃マリー・アントワネット。魅力的な人物が躍動する「ベルサイユのばら」の作者、劇画家の池田理代子さん(69)がデビュー50周年を迎えた。「いつのまにか半世紀もきちゃった」という池田さん。新社会人が歩き出す春、仕事と生き方について聞いた。
■劇画家・池田理代子さんに聞く
「還暦になったとき、人生ってなんて短いんだろうと涙がこぼれました。1分1秒もおろそかに生きちゃいけない」
半世紀前、大学に入った1960年代は学生運動のころ。池田さんは親のスネをかじって親世代を批判するのは恥ずかしいと思い、家を出た。工場や飲食店でバイトして暮らした。そこで気づく。人と会うより、部屋にこもってする仕事が向いていると。
当時はやっていた貸本屋向けの出版社で漫画の修業をした。19歳でデビュー。食べるものにも事欠きながらの修業の日々だった。それがいまの自分を支えているという。
漫画史に輝く傑作「ベルサイユのばら」を描いたのは24歳のとき。毎週ある締め切りのため、2、3日の徹夜は当たり前だった。「苦じゃなかった。若いうちって、できるんですよ。好きなことをやっているから」
だが、人気の出た池田さんの足…