暑いこの時期、子どもたちに噴水が大人気だった=愛知県刈谷市のハイウェイオアシス
1日最大4万人が利用する愛知県刈谷市の「刈谷ハイウェイオアシス」を週末、訪れた。園内は東西南北、どこを向いても笑っている子どもがいっぱいいる。少子高齢化を忘れてしまいそうなにぎわいだ。
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伊勢湾岸道のパーキングエリア(PA)に直結するハイウェイオアシスなのに、民間企業の最新調査では、東京ディズニーランドなどを含む全国のレジャー施設で4番目の年間入場者(2014年度、約843万人)を誇る。
なぜ人気があるのか?
中心部で高さ60メートルの大観覧車がまわり、隣接する公園にメリーゴーラウンドやゴーカートがある。「でも、ディズニーランドにあるような立派な乗り物はなにもない」と、運営会社取締役の石川博一さん(59)は言う。
愛知県豊田市に隣接し、市内には自動車関連の会社や工場が密集する。04年の開業以来、地域密着を目標に掲げてきた。乗り物は50~100円。どの遊具にも鈴なりの子どもたちが目立つのは、地域の子育て世代にとっても「オアシス」だからだ。
ママ友たちの輪に入ってみた。
2歳と5歳の子がいる地元の主婦(39)は「1カ月に1回は来ます。入場料も駐車料金もないですしね」。夫はトヨタ関連の工場で働き、住宅ローンを抱える。「将来どうなるかわからないから、土日はお金を使わないようにしています。給料も少なくて、うちは底辺の底辺だから」。冗談交じりに言うと、ほかの母親が「そんなことないわよ」と笑った。子どもたちの遊び場は、同時にママ友の語らいの場にもなっている。
噴水エリアは子どもたちに大人気だった。水着姿の柊伍(しゅうご)くん(3)はもう1時間も遊んでいる。我が子を見守っていた愛知県碧南市の会社員、藤井賢司さん(39)と将来について語っていると、「あの子に迷惑はかけたくない」としみじみ言った。
「選挙は行きますよ。年金もどうなるかわからないし、高齢者だけでなく若い世代のことを考えてくれる人がいいけど……。まだ見つかっていません」(斎藤健一郎)