6月28日にイスタンブールの空港で撮影された監視カメラの映像に、実行犯とみられる3人が映っていた=ロイター
トルコ・イスタンブールの国際空港で起きたテロ事件は、ロシア南部チェチェン共和国出身のイスラム過激派幹部が主導した疑いが浮上した。幹部は「イスラム国」(IS)にも加わっていたという。
トルコ政府によると、3人の実行犯の国籍はロシア、ウズベキスタン、キルギスの旧ソ連諸国。ノーボスチ通信などは、彼らを背後で指揮したのは、チェチェン出身のアフメト・チャタエフ容疑者だと報じた。
チェチェンがある北カフカスは熱心なイスラム教徒が多い。チェチェンでは、1994年から2度にわたり独立武装派とロシア軍が戦った。チャタエフ容疑者は武装派に参加した。
その後、北カフカスを拠点とする過激派組織「カフカス首長国」に入り、欧州での指導者の代理として知られる存在になった。同組織はモスクワの地下鉄や空港のテロに関与したとされる。13年にISの前身組織に参加したという。
ロシアは03年にチャタエフ容疑者を国際手配。現在は行方が分かっていない。
ISにはチェチェンや隣のダゲスタン共和国の出身者が多い。戦闘経験が豊富で、幹部にも重用されているという。ロシアのプーチン大統領は昨年10月、「ロシアと旧ソ連諸国から5千~7千人がISに参加している」との見方を示した。
チャタエフ容疑者は、ISで旧ソ連諸国からの戦闘員勧誘を担当。さらにイスタンブールに潜伏する戦闘員のリーダーとされる。今回の実行犯の勧誘にも関わっていた可能性がある。
トルコは周辺諸国との関係修復…