メイ内相=AFP時事
国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で、辞任するキャメロン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選が本格化している。予備投票をする下院議員の支持者数ではテリーザ・メイ内相(59)が大差でトップを走り、残り4候補が追う展開に。有力視されていたマイケル・ゴブ司法相(48)は立候補の経緯に批判が集まり、支持獲得に苦戦している。
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「この国は、EU離脱を心から信じる人が率いるべきだ」。3日の英BBCの番組に別々に出演したエネルギー・気候変動省のアンドレア・レッドサム副大臣(53)とゴブ氏はこう述べて、先月23日の国民投票でEU残留を支持したメイ氏を牽制(けんせい)。3日、メイ氏は民放ITVで「問題は10日前ではなく、現在の行動と(離脱を実現する)未来への展望だ」と反論した。
保守党員向けの情報サイト「コンサバティブ・ホーム」によると3日現在、メイ氏が下院議員103人の支持を得て独走する一方、ゴブ氏は2位ながら23人と苦戦している。
ゴブ氏は、国民投票で離脱派の運動を率いて次期党首の本命とみられたボリス・ジョンソン前ロンドン市長(52)を支援する構えから一転、自らが立候補。同氏の人気に便乗した後に蹴落としたと党内から批判が噴出し、22人が支持して3位につけるレッドサム氏に支持が流れつつあるという。同氏をスティーブン・クラブ雇用・年金相(43)とリアム・フォックス元国防相(54)が追っている。
候補を2人に絞り込む下院議員による予備投票は5日に1回目が行われ、最少得票の候補が脱落する。(ロンドン=渡辺志帆)