佐賀市の路上で2007年、知的障害のある安永健太さん(当時25)が警察官に取り押さえられた後に死亡し、遺族が佐賀県に約4240万円の損害賠償を求めた訴訟で、遺族側の敗訴が確定した。最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)が1日付の決定で、遺族の上告を退けた。
昨年12月の二審・福岡高裁判決によると、安永さんは07年9月、自転車で蛇行運転し、佐賀県警の警察官に停止を求められたが応じず、取り押さえられた直後に死亡した。
裁判では、警察官が安永さんに知的障害がある可能性を踏まえて適切に対応する注意義務を怠ったかが争われ、一、二審は「警察官の対応に違法性があるとはいえない」と判断した。