JR豊肥線の阿蘇―豊後荻間が開通し、阿蘇駅に到着した九州横断特急から下車する園児たち=9日午前9時57分、熊本県阿蘇市、金子淳撮影
熊本地震の影響で運転見合わせが続いていたJR豊肥線の阿蘇(熊本県阿蘇市)―豊後荻(大分県竹田市)駅間の25・3キロが復旧工事を終え、9日から運転を再開した。阿蘇から大分方面へは84日ぶりに列車でつながった。
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阿蘇駅では式典の後、再開後初となる午前9時45分発別府(大分県)行きの九州横断特急61号が、大分に観光PRに行く阿蘇市観光協会の3人ら計6人を乗せて出発。10分後には別府発の同62号が到着した。宮地駅(阿蘇市)から乗った幼稚園児ら約50人がホームに降り、市観光協会関係者らからパンフレットなどを受け取った。
別府駅から乗ったという大分市の会社員菅達也さん(47)は「地震発生以後、阿蘇に来るのは初めて。よく遊びに来ているので、この日を待っていた」。阿蘇市観光協会の稲吉淳一会長は「夏休み前に大分から阿蘇まで列車が通って、観光客を受け入れるイメージができた。うれしいの一言だ」と語った。
九州横断特急は1日に上下各3本が運行し、当面の間は全席自由。このほか宮地―豊後竹田(大分県竹田市)駅間は従来通り普通列車上下各5本が走る。豊肥線の不通区間は阿蘇―肥後大津(熊本県大津町)駅間の27・3キロのみとなったが、阿蘇大橋付近の大規模な土砂崩れなどで復旧の見通しは立っていない。(尾立史仁)