千葉ロッテマリーンズに今季入団した(左から)平沢大河、成田翔、原嵩の3選手=5月31日、QVCマリンフィールド、迫和義撮影 ■千葉ロッテマリーンズ 平沢大河内野手・成田翔投手・原嵩投手 動画もニュースも「バーチャル高校野球」 千葉大会の情報はこちらから 第98回全国高校野球選手権千葉大会が開幕した。甲子園出場を目指し、171校170チームが熱戦を繰り広げる。昨夏の選手権大会で活躍し、秋のドラフト会議を経てプロ野球・千葉ロッテマリーンズに入団した平沢大河内野手(仙台育英、宮城)、成田翔(かける)投手(秋田商、秋田)、原嵩(しゅう)投手(専大松戸、千葉)の3人に高校野球の思い出や近況、球児へのメッセージなどを聞いた。 ――高校野球の一番の思い出は 平沢 やはり昨夏の甲子園ですね。決勝まで行けると思っていなかった。スタンドからの声援もすごくて忘れられません。もちろん優勝はしたかったが、満足感の方が大きいです。全国の高校生の中で一番長く野球ができて、高校日本代表にも選んでいただいた。本当に濃い1年でした。 成田 3年生の甲子園です。1年の夏を経験し、絶対ここに戻って勝ちたいと思っていたので勝ち進めてうれしかった。でも、4強をかけた試合で仙台育英に敗れ、秋田商の歴史を塗り替えられなかったことは悔しいです。 原 自分は千葉大会です。主力だけでなく、背番号をもらっていない選手たちがそれまでにないくらいサポートしてくれて、一体感があった。決勝戦もみんなの力があったからこそ劣勢から一気に逆転できました。 ――経験から学んだことは 平沢 今できることをやるということ。例えば、打てない時でも野手は守備や走塁がある。チームに貢献できる方法はたくさんある。 成田 プラス思考に捉えること。2年生で手を骨折して投げられなかった時は、下半身を鍛えるいい期間と考えて練習しました。それが3年の夏につながった。 原 1人では勝てないということ。辛いときも監督や部長、そしてチームメートが支えてくれて人間として成長できた。 ――当時のチームメートとは連絡を取っていますか 平沢 はい。捕手だった郡司裕也(慶大)とは食事に行きました。6月1日に2軍で初勝利を挙げた投手の佐藤世那(オリックス)には「おめでとう」と連絡しました。 成田 僕も、大学で近くに来た仲間も多いので会っています。 原 高校もですが、中学時代のチームメートとも連絡を取ります。初登板時もその時のメンバーの親が応援に来てくれました。 ――昨秋のドラフト会議でそろってロッテの指名を受けました。その時の気持ちは 平沢 正直ほぼ100%楽天だと思っていたのでびっくりでした(笑)。 成田 もっと下位指名だと思っていたので、3位指名は素直にうれしかった。ロッテは若い選手が多く、競争が激しくなると思いました。 原 ロッテファンだったので本当によかった。高校の時も応援に行っていました。涌井秀章投手(ロッテ)にあこがれていて、大事な場面での精神力とか見習いたいなと思っています。 ■諦めなければ思いは通じる ――平沢選手は一時1軍にも上がりました 平沢 応援がすごくて期待されているのを感じました。1本打ちたかったが(9打数無安打で)まだそのレベルに達していないことがわかりました。 ――投手の2人も登板 成田 (4月の実戦初登板で3回1失点)。甲子園より緊張しました。得意のスライダーでも空振りがあまり取れなかった。まだまだです。 原 (2軍戦の初登板で4回2失点)。被安打は1本でしたが、それが四球を出した直後の本塁打。その結果、敗戦投手になり、1球の怖さを感じました。悔しい気持ちが大きいです。 ――いま取り組んでいることは 平沢 1軍の直球に振り負けないスイングです。 成田 制球力。腕を振って変化球でカウントを取れるように練習しています。 原 柔軟などケガをしないための体作りです。 ――3人で食事などに行きますか 平沢 投手と野手はなかなか予定が合わないので、よく野手の先輩の肘井竜蔵選手(ロッテ、外野手)に連れて行ってもらいます。 成田 原とは1、2回行きました。 原 はい。「今日の練習辛かったよなあ」とか話しました(笑)。同じ投手なので刺激し合っています。 ――他の球団の高卒ルーキーの活躍は気になりますか 平沢 仲がいいオコエ瑠偉(楽天、外野手)が1軍で活躍していて、いい刺激になりますね。 成田 同じ左腕の小笠原慎之介(中日、投手)が早くも1軍で投げ、負けてられないという気持ちです。 原 僕はあまり周りは意識せず、自分のことをしっかりやりたい。まだスタートラインにも立てていないので。 ――今後の目標を教えてください 平沢 まずは1軍で1本出したい。その実力を2軍でつけたいです。 成田 焦らずに体作りからやって1軍で1勝でも多く、長く活躍できるようになりたいです。 原 自分もまずはプロで通用する体作り。あとは1試合、1球を楽しみながら投げたいです。 ――いよいよ夏の地方大会シーズン。母校は気になりますか 平沢 もちろん。自分たちができなかった東北勢初の頂点を取ってほしい。 成田 秋田商の昨夏のメンバーには2年生もいましたし、期待しています。 原 今年は千葉に好投手が多くいるが、専大松戸にも打ち勝てる力があると思う。休みが合えば応援にも行きたいです。 ――球児にメッセージを 平沢 3年生は夏負けたら終わり。気持ちの入り方も違うと思う。秋からやってきたことを信じて悔いなくやってほしい。 成田 高校野球は諦めなければ思いは通じる。負けそうなときでも全力プレーを見せてほしい。 原 千葉はチーム数も多くて1番になるのは大変なこと。だから勝つこと以上にチームメートとの時間を大切に。自分らしいプレーで家族やお世話になった人に恩返しができればそれが一番いいと思う。(聞き手・構成 野村陽彦) ◇ ひらさわ・たいが 1997年12月24日生まれ。右投げ左打ち。宮城県出身。仙台育英(宮城)の中軸として昨夏の甲子園準優勝。6試合で3本塁打を放った。今季はじめから2軍で主に遊撃手として出場。本塁打を打つなど活躍を見せ、1軍昇格も果たした。 なりた・かける 1998年2月3日生まれ。左投げ左打ち。秋田県出身。昨夏の甲子園では、2回戦で16奪三振の剛腕を示し、秋田商を80年ぶりの8強に導いた。6月18日の2軍ヤクルト戦で公式戦初登板。5回を無失点に抑える好投で、1軍昇格に期待がかかる。 はら・しゅう 1997年12月6日生まれ。右投げ右打ち。茨城県出身。専大松戸の4番を担った昨夏の千葉大会では、決勝で満塁本塁打を放ち、同校の甲子園初出場を決めた。プロでは6月2日、2軍に初登板して4回2失点。1軍を目指し練習を積んでいる。 |
ロッテ平沢「高3の夏は気持ち違う」新人3選手がエール
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