オランダのアムステルダムで2013年4月30日、王位を譲った長男のウィレム・アレキサンダー皇太子が国王に即位する式典に参列するベアトリックス前女王=ロイター
王室を持つ欧州や中東などの国々では、過去に生前退位が行われたことがある。国王の高齢や健康上の理由のほか、不祥事対応や政変など、事情は様々だ。
「天皇陛下、生前退位の意向」 宮内庁関係者
特集:皇室とっておき
世界のおもな生前退位
日本の皇室とも親交が深いベルギーのアルベール2世前国王(82)は2013年7月、高齢と健康上の理由から退位し、長男のフィリップ皇太子(56)に王位を譲った。
オランダのベアトリックス前女王(78)も13年4月、高齢などを理由に退位。長男のウィレム・アレキサンダー皇太子(49)が王位を継いだ。前女王は当時75歳で、立憲君主制の王室ができて200年となる祝賀の年だったことから、「次世代に引き継ぐときだ」と退位の理由を説明していた。前女王の母や祖母も生前に譲位している。
一方で、高齢でも王位にとどまる例もある。英国のエリザベス女王(90)は在位期間が64年を超え、歴代君主で最長在位記録と長寿記録を更新中だ。今も精力的に公務をこなし、生前退位の可能性は低いとみられている。ただ、公務の一部を長男チャールズ皇太子(67)に譲る負担の軽減化が図られている。
その英国でも近代には、193…