南スーダンの首都ジュバに滞在する日本人の退避に備え、航空自衛隊のC130輸送機3機が14日朝(日本時間)、近国ジブチに到着し、政府は同日午後、うち1機をジュバに派遣する命令を出した。13日には国際協力機構(JICA)関係者ら計93人が民間機で、ジュバから隣国ケニアの首都ナイロビに退避した。
治安悪化の南スーダン、陸自PKO継続へ 防衛相が方針
防衛省によると、派遣した輸送機1機で今もジュバに滞在する日本大使館員4人をジブチへ退避させるという。政府はジュバの治安悪化に伴い、11日にC130輸送機の派遣を閣議決定。ジュバには退避予定の大使館員を含め、国際機関のスタッフら日本人約20人が滞在している。
自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は14日の会見で、ジュバに残っている日本人の退避などに対応するため、「外務省から要請があれば(空自輸送機を)展開する」とし、現地派遣の可能性に言及していた。南スーダンの情勢については「一時よりは治安が回復してきたと認識している。(自衛隊の)宿営地に流れ弾が飛んできた状況はあったようだが、宿営地が直接狙われたことや着弾などは確認されていない」と述べた。
防衛省はジュバ市内から空港まで、同地の国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊員によるPKO協力法に基づく陸上輸送を検討している。
一方、ナイロビに退避したのは、JICAのほか大使館関係者ら日本人47人と、現地で日本企業の下請けとして作業に従事していたエジプト人やフィリピン人ら46人。JICAが調達した車両でジュバ空港まで移動し、民間機をチャーターしナイロビに移った。(二階堂勇)