東日本大震災で大型量販店「コストコ多摩境店」(東京都町田市)の駐車場スロープが崩れ8人が死傷した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われた1級建築士、高木直喜被告(69)の控訴審第1回が19日、東京高裁であった。高木被告は一審の東京地裁立川支部で禁錮8カ月執行猶予2年の判決を受けたが、弁護側は改めて無罪を主張。検察側は控訴棄却を求め、裁判は即日結審した。判決は10月13日の予定。
一審判決は、高木被告がスロープと店舗建物の「つなぎ目」を鋼板からコンクリートの床に変える前提で前任者の構造設計を変更したことを、設計全体を統括する担当者らに伝える義務を怠った、と認めた。
控訴審で弁護側は「被告は前任者を通じて、つなぎ目はコンクリートの床が前提であることを統括担当者に伝えていた」などと主張。検察側は答弁書で「前任者はつなぎ目の変更を理解しておらず、統括担当者にも伝わっていなかった」と反論した。